みなさん、こんにちは🌼今年もあっという間でしたね。オフィスこころでご依頼をいただいたものをひとつひとつ片づけておりましたら、知らない間に年末になってしまいました💦お役立ちミニ講座も久しぶりの更新になってしまいましたが、今回はちょうどこの寒い時期に増加するお亡くなりになったときの年金の手続きについて2回シリーズで解説したいと思います✍
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年金受給者が亡くなったとき、生計同一関係にある遺族の人は「未支給年金」の手続きをしましょう。
年金を既に受給されている人が亡くなった場合、年金は「亡くなった日が属する月分まで」発生するのですが、死亡後に支払われる年金は、口座も凍結されおり、本来は支払えないものになります。ただし、亡くなったときに生計同一関係がある遺族がいたら、その遺族に支払うことができるとなっています。なお、日割りはないので、1日に亡くなっても、末日に亡くなっても同額の1か月分の年金が発生することになり、例えば12月28日に亡くなったとすると、年金は偶数月の15日、受け取る月の前2か月分の年金が支払われることになっているので、11月分までは定期支払の12月15日に支払い済み、12月分のみが生きていれば来年の2月15日に支払われるところを死亡後であるため、本人口座に振込はできないので、遺族が指定する口座に後日支払われるという形になります。その遺族の範囲は以下のとおりです。
未支給年金を請求できる遺族の範囲
2 子
3 父母
4 孫
5 祖父母
6 兄弟姉妹
7 上記の者以外の3親等内の親族
※遺族年金と違って年齢は問いません。また、上位のほうが先順位者となり、同順位の人が二人以上いた場合は、1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされます。以下、厚労省が作成している遺族の範囲のわかりやすい表になりますので、具体的に知りたい方は参照してください。
遺族の範囲
【参考】生計同一の認定要件
② 亡くなった方と住民票上世帯を異にしていたが、住所が住民票上同一であったとき
③ 亡くなった方の住所が住民票上異なっていたが、次のいずれかに該当していたとき
ア 起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていたと認められるとき
イ 亡くなった方に対して生活費、療養費等の経済的な援助が行われていたこと、または、亡くなった方から生活費、療養費等の経済的な援助が行われていたこと など
③の場合は、未支給年金の請求書以外に以下の書類が必要になります。
「もし生計同一関係にある遺族が全くいなかった場合(未支給年金は請求せず、死亡届のみの提出となった場合)はどうなるのか?」ですが、死亡後に口座が凍結されておらず振り込まれた場合などは、返納が必要になってくるので、死亡届の記載や戸籍等で確認できる遺族に日本年金機構から案内が来るような仕組みになっています。
素朴な疑問①未支給年金請求時に、まだ請求していない年金があったとしたらどうなるのか?
未支給年金請求時に、「まだ死亡者が65歳以降の年金を繰り下げ待機中で請求していなかった」「年金を請求することができると知らず請求していなかった」とか「過去に働いていた期間の年金記録が見つかった」などがあります。そのような場合、本人は既にお亡くなりになっており、本人には支払うことができませんが、未支給年金を請求できる遺族は、「自己の名で」未支給年金を請求することができます。ちなみに繰下げ請求は本人しかできませんので、亡くなるまで請求していなかった場合は、その遺族が65歳からの本来請求で老齢年金を請求することになり、過去5年分は時効になりますが、5年以内の未払い分は、その未支給年金の請求者に一括で支払われることになります。なお、老齢年金の他、障害年金や遺族年金等についても未支給年金の対象になる場合があります。また、年金記録が新しく見つかった場合などは、死亡者の老齢年金の金額が過去に遡って訂正されることになるのですが、その場合、死亡者に生存中に支払えていなかった差額分を、未支給年金を請求する遺族が一括で受け取ることになります。なお、平成19年7月7日に制定された年金時効特例法により、漏れていた年金記録が見つかって、既に受給済みの年金が過去に遡って増額になる場合などは、時効消滅分も含めて全期間支払われるようになっており、未支給年金として請求された場合も同様になります。
【参考】年金時効特例法について(広報チラシ)
素朴な疑問②未支給年金は相続、税金にどう影響してくるのか?
まず、未支給年金が「相続財産にあたるのかどうか?」ですが答えは「NO」です。先に述べたように、未支給年金は、死亡者の遺族が、自己の名で請求するものであり、死亡者に係る相続税の課税対象にならず、支給を受けた遺族の一時所得に該当することになります。亡くなった月分の年金の未払いだけでしたら、そんなに大きな額にはなりませんが、未請求の老齢年金があるとか、過去の年金記録が見つかった場合などは思いがけず、高額の未支給年金を受↓け取ることもあります。相続財産からは除くとともに、受け取った遺族の方は、一時所得として申告が必要になることを覚えておきましょう。(ただし、一時所得については支給金を受け取る年分において、その支給金を含む一時所得の金額の合計額が50万円以下である場合には、確定申告は不要です。また年末調整した人は、その年末調整を受けた給与以外にほかに所得があっても、その他の所得等が年間20万円以下ならば、確定申告は不要とされています。詳しくは税務署に個別具体的に確認しましょう。)
なお、未支給年金請求と同時に死亡届を提出するのですが、相続人(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)が提出した場合、約2~3か月後に日本年金機構より準確定申告用(相続人は相続の開始のあったことを知った日の翌日から4カ月以内にその申告をしなければなりません。これを準確定申告といいます。)の源泉徴収票が送られますので、それも忘れずにチェックしておきましょう。
その他、未支給年金の概要や手続きの仕方について記載された厚労省作成のパンフレットがありますので、参考にしてください↓
【参考】未支給年金お手続ガイド