
みなさん、こんにちは🌸あっという間に9月ですね。まだまだ暑い日が続きますが、少し和らいだ感じがあると嬉しいですね。オフィスこころ(代表)は酸味のある青いみかんが好きなのですが、今日初めて露地物の青みかんを発見したので、購入してこれからたくさんいただきたいと思います(;'∀')
さて、久しぶりのミニ講座になってしまいましたが、今回は主に社会保険の適用拡大がテーマです。社会保険の適用拡大については、来年の10月には51人以上の企業が対象になるなど、パートの人も雇用保険だけでなく社会保険に入るという社会の枠組みが段々出来上がっていますね。まずは制度を正しく理解していただくことを目的に、なるべく事業主、従業員双方の目線からお話できればと思います。
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社会保険の適用事業所とは?法人事業所と従業員5人以上の個人事業所(ただし業種による例外あり)が強制適用!
こちらのチャート図で強制適用になるかどうか見ていきましょう。
✅農業を営む個人事業所で経営者と外国人労働者7名を使用している場合は強制適用か?→農業は非適用業種になるので、従業員(国籍関係なし)が何名でも任意適用になります。
適用事業所で被保険者になる人の原則は「常用的使用関係」があるかないかで決まる!
適用事業所で被保険者になるべき人
(役員の場合は常勤か非常勤か決定権があるかなどの実態で総合的に判断になります💦)
・1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が正社員の3/4以上働くパート・アルバイト等(名称を問わない)←こちらは「短時間就労者」と呼ばれます。
ちなみに、適用事業所で常用的使用関係があれば国籍とか住所とかも関係なく、試用期間であっても最初から社会保険に加入となります。
一般の被保険者にならない人(年金は国民年金、健康保険は日雇特例被保険者かその適用除外のどちらか)とは?
また、以下のような方は常用的使用関係があっても一般の被保険者とは異なり、これらの方は年金は20歳以上60歳未満であれば国民年金第1号か第3号、健康保険は「健康保険法第3条第2項」のいわゆる日雇特例被保険者手帳を発行される「日雇特例被保険者」の適用になる(実際にこの適用になる方は現在では非常に稀です)のですが、この中でも26日以上使用される見込みがなかったり、任意継続被保険者であったり、他に本業があったり、学生や専業主婦である場合は、その理由を申請の上、厚生労働大臣の承認を受けてこの「日雇特例被保険者」に関しても適用除外になりますので、原則国民健康保険に加入することになります。
④臨時的事業の事業所(6カ月以内)に使用される人
健康保険の適用除外になる人はどんな人か?
社会保険の適用拡大によって強制加入になる人はどんな事業所でどんな風に働く人たちか?
現在、法人単位で常時101人以上の企業は社会保険の適用拡大の対象!令和6年10月からは51人以上に拡大!
適用拡大による「短時間労働者」の条件→雇用保険の対象者とほぼ同じと考えて良いが全く同じではない
2.2か月を超えて使用される見込みあり(令和4年10月までは勤務期間1年以上の見込みでした)
3.月額賃金8.8万円以上(ただし、通勤手当、家族手当、時間外手当、賞与等は除く)
4.学生でない

101人以上とか51人以上とかは何の人数になるのか?→法人単位で本来の社会保険に入るべき人の数で判断!
適用拡大の条件に入る従業員数の考え方は、法人単位になります。なので、法人番号は一緒でも適用事業所が違う場合なども多々あると思いますが、これは法人番号ごとにカウントされることになります。また人数に関しては、本来の社会保険の適用条件である、法人事業所で働く常勤労働者の人数(最初の項目「適用事業所で被保険者になるべき人」をご確認ください!)になるので、適用拡大の対象になる前に社会保険に加入している人数で判断されます。該当の事業所には事前に日本年金機構から案内が届くようになっており、「特定適用事業所該当届」を提出することになります。なお、国、地方公共団体に属する事業所に関しては人数に関わらず、平成29年4月からすべて適用対象になっています。
適用拡大の条件に満たない事業所でも短時間労働者が社会保険に加入することは可能!→任意特定適用で助成金で有利になることも!
現在101人以上の企業が適用拡大の対象ですが、それ未満であっても、任意で特定適用事業所になることは可能になります。この場合は、現在加入の厚生年金の被保険者、70歳以上被用者、および短時間労働者の過半数で組織する労働組合の同意(労働組合がないときは従業員の過半数を代表する者の同意か従業員の2分の1以上の同意)を得たことを証明する書類を添付して「任意特定適用事業所該当申出書」と短時間労働者の資格取得届を提出することになります。
【参考】任意特定適用事業所申し出・取消申し出の手続き(日本年金機構HP)
また、例えば現在社会保険加入者が51人以上100人以下の企業が令和6年10月に先だって任意適用で特定適用事業所になった場合など、IT導入補助金などの条件で有利になる場合などもある他、労働者を新たに社会保険に加入させるとともに、追加の手当などで収入を増加させる取組を行った事業主に支給される助成金もあります。
【参考】キャリアアップ助成金 社会保険適用時処遇改善コース (令和5年10月~)
社会保険の適用拡大の対象になると、今までとどう変わるのか?具体的に検証してみましょう。
検証:社会保険(厚生年金保険)に加入することで将来の年金額はどのように違ってくるのか?
現在、社会保険に加入されていない20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入されているはずですが、厚生年金保険に加入することで、その基礎年金部分は当然に保証される上、報酬比例部分という上乗せの厚生年金が将来受給できるようにもなります。ここでは2パターンで検証してみましょう。
パターン1:現在国民年金に加入している人:これから厚生年金保険に15年加入
現在 | 厚生年金加入後 | |
月額給与 | 15万円 | 15万円(標報150千円) |
国民年金保険料 | 月額16,520円 | ― |
厚生年金保険料 | ― | 月額13,725円(本人負担) |
老齢基礎年金 (年額) |
795,000円 (月額66,250円) |
|
老齢厚生年金 (年額) |
― | 147,987円 (月額12,332円) |
【注】厚生年金保険料率は18.3%で事業主と折半になりますので記載は本人負担分のみです。事業主様はこれと同額の保険料を新たに負担することになります。
パターン2:現在健康保険の被扶養配偶者になっている人:これから厚生年金保険に10年加入
現在 | 厚生年金加入後 | |
月額給与 | 10万円 | 10万円(標報98千円) |
国民年金保険料 | 加入はしているが負担なし | ― |
厚生年金保険料 | ― | 月額8,967円 |
老齢基礎年金 (年額) |
795,000円 (月額66,250円) |
|
老齢厚生年金 (年額) |
― | 64,456円 (月額5,371円) |
健康保険、介護保険も含めた保険料の目安は以下の表で確認しましょう。
【参考】令和5年3月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(香川県)
その他、社会保険加入で得られる主なメリット(老齢年金以外で)
①傷病手当金
【参考】病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)(協会けんぽHP)
②出産手当金/産休育休中の保険料免除/3歳未満の子を養育する場合の従前標準報酬月額のみなし特例措置
【参考】出産で会社を休んだとき(出産手当金)(けんぽ協会HP)
保険料の免除等(産休・育休関係)(日本年金機構HP)
③障害・遺族年金などの保障の拡大
【参考】障害年金ガイド(令和5年度版)
遺族年金ガイド(令和5年度版)