
こんにちは🌸春分の日を迎え、光が少しずつ長くなるこの季節に、オフィスこころの仕事にも一つの節目となる出来事がありました。
昨年よりスキルアップの一環として、労使紛争を裁判外で合意解決する「紛争解決手続」の代理業務を行えるようになるための試験に挑戦していました。合格して申請すると、社会保険労務士資格に「特定」の付記がなされ、「特定社会保険労務士」として新たに代理業務に携わることができるようになります。試験は昨年11月22日。受験資格を得るための第一関門として、昨年の9月頃から全国社会保険労務士会連合会の特別研修(オンライン講義30.5時間、グループ研修18時間、ゼミナール15時間)を受講しました。
中四国で唯一の研修会場である広島県には何度も泊まりがけで通いました。現地の研修内容はいくつかの具体的紛争事例についてグループで意見を出し合い、考察し、まとまった意見を実際のあっせん時と同じような申請書や答弁書を作成して提出するグループ討議、弁護士によるゼミナールなどがあります。また、研修前の7月頃からあった自主勉強会では鳥取県社会保険労務士会のオンライン勉強会や現地勉強会にも参加し、同じ志を持つ社労士の方々から多くの刺激を受けながら学びを深めました。普段の業務と並行しながら課題をこなすのは大変でしたが、早めに自主勉強会に参加していたこと、そして受けると決めてから毎日少しずつでも取り組むことを自分に課したおかげか、はたまた運が良かったのか、無事(奇跡的?)に合格することができました。
試験は決められた正解があるものではなく、長文の具体的労使紛争事例から、求めるあっせんの内容、双方の主張する事実と意義、法的判断の見通し、和解案などを指定の文字数内で記載します。すべて筆記で、一度書いたら事実上訂正ができない一発勝負。法的根拠に基づいた事実認定と、論理的に紛争を整理できているかが問われるようです(採点官は弁護士です)。本番は想像以上に難しく、時間もなく、試験直後は「これは落ちた…」と思いましたが、翌日からは気持ちを切り替え、目の前の仕事が幸いたくさんあったため、試験のことはすっかり遠い記憶に。やはり、試験よりも実務のほうが学びが多いと実感していますが、それでも合格しなければ学びとしては残っても、代理業務の仕事は認められません。当初、研修の受講や試験対策が仕事と両立できるか不安で受講は大分迷っていたのですが、思い切って決断して行動して本当に良かったと思っています。
試験対策自体は苦行でしたが、研修課題の事前準備のときから、依頼人の立場になって作成する「あっせん申請書」や「答弁書」の作成だけは、唯一“楽しいかも”と感じられた作業でした。試験のように短時間で作成するのは苦手ですが、じっくり考えて文書を作成するのは多分性に合っています。でも実際の依頼となるとどうなるのか…。合格したからといってすぐに何か仕事があるわけではありませんが、依頼者の思いに寄り添いながら代理人として関わる機会があれば、経験を重ねていきたいです。
さて、「紛争解決手続代理業務って何?」と思われる方も多いと思いますので、簡単にご紹介します。
特定社会保険労務士が関わる「紛争解決手続」とは、主に労使双方が自主的な解決に至らなかった場合、労働局に設置された紛争調整委員会などが行う「あっせん」という手続きです。労使間のトラブルを裁判に至る前の段階で、第三者である「あっせん委員(弁護士等)」が間に入り、双方の主張を客観的に整理しながら合意解決を目指します。
特定社会保険労務士は、この「あっせん」の場で労働者側または使用者側の代理人として手続に参加し、主張の整理、労働者側の申請書または使用者側の答弁書の作成などを専門的に行うことができます。もちろん、労使紛争は起きないことが一番でそれを未然に防ぐ、傷を広げないよう最善を尽くすことが社労士の役割だと思っていますが、万が一の場面で依頼者の立場を法的に支えられる資格でもあります。
【参考】個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)
このあたりの詳細は、また学んだことのアウトプットとして「お役立ちミニ講座」でも取り上げられればと思っています。現在、付記申請を進めており、正式には2026年4月1日から「特定社会保険労務士」として活動できる予定です。たった二文字の違いで突然何かが変わるわけではありませんが、その重みはきっと今までとは異なるものになると感じています。来年度は、より新たな気持ちでスタートを切りたいと思います。












